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財務諸表を読む練習

その1 東京電力 平成24年3月決算短信
その2 GREE 平成24年6月期 第3四半期決算短信[日本基準](連結)
その3 任天堂 平成24年3月決算短信

その1 東京電力 平成24年3月決算短信

【まとめ】
安定性の分析。
短期的な資金繰りには困らないが、損害賠償をする余裕はない?
東京電力 関西電力 中部電力
当座比率(%) 90 49 72
自己資本比率(%) 5 20 27


【練習の詳細】
安全性を見たいと思います。最初に当座比率を見てみます。
(手元流動性は東京電力がすぐに借りることのできる与信枠というのがわからないのでスキップします。)
当座比率=当座資産/流動負債
です。
当座資産は の合計です。
これらの値を貸借対照表から読み取ります。
前会計年度(平成23年)の当座資産は
=(2248290+359820+148048-2688)/2914723
≒1.46 → 146%あります。

当会計年度(平成24年)を計算してみると
=(1287418+432925+379598-3236)/2318963
≒0.90 → 90%に下がっています。

一般的には90%以上が安全とされているそうですが、業種によっても違います。
なので、関西電力の当会計年度(平成24年)と比較してみます。
=(129234+181023+203779-2413)/1048161
≒0.49 → 49%です。
あら、少ない。

中部電力も見てみます。
=(214515+181306+267872-1584)/921486
≒0.72 → 72%です。
うーん、そうですか。基準がわからないです。

まとめると、前会計年度からは50%強比率が下がっていますが、他よりまだまだ優等生ってことなんでしょうか。

次に、自己資本比率を見てみます。
(流動比率は値を見ていて当座比率とそう変わらなそうだったのでスキップしました。)

自己資本比率=純資産/資産
です。 前会計年度(平成23年)の自己資本比率は
=1602478/1479353
≒0.11 → 11%あります。
当会計年度(平成24年)を計算してみると
=812476/15536456
≒0.05 → 5%に下がっています。

関西電力はというと、
1529843/7521352
≒0.20 → 20%です。高い。

中部電力は
=1548347/5647169
≒0.27 → 27%です。ここも高いです。

まとめると、消費税率まで下がってしまい、損害賠償はもう出来ません、ってことですかね。

その2 GREE 平成24年6月期 第3四半期決算短信[日本基準](連結)

【まとめ】
収益性の分析。
事業規模を急速に拡大させて、スケールメリットを得ている?
スマホが普及している間はまだまだ伸びる?

【練習の詳細】
収益性を見てみます。
出てくる金額の単位は(百万円)です。
損益計算書を見ると、売上高は43,085から118,150に増えています。
270%の増加です。
貸借対照表の資産を見ると62,855から125,373に増えています。
資産も199%の増加です。
売上高の方が伸びが大きいので、資産回転率=売上高/資産も伸びていると言えます。

この業種ではおそらく無意味ですが、売上原価率を求めてみます。
売上原価率=売上原価/売上高ですから8,527/118,150で7%です。
前期は3,454/43,085なので8%でしたからよくなっています。

売上原価率より販管比率が気になります。
販管比率=販売費及び一般管理費/売上高ですから、
45,890/118,150で38%です。
前期は18,284/43,085で42%です。
販管費は増えているとはいえ、比率はよくなっています。

売上高営業利益率も見てみます。
63,732/118,150で54%です。
前期は21,345/43,085で50%です。
これもいい方に伸びています。

純利益は12,551から35,638と284%の増加です。
もう文句のつけようがないのではないでしょうか。

その3 任天堂 平成24年3月決算短信

【まとめ】
貯金がある会社は一回外しても大丈夫。
来期がどうなるのか気になります。

【練習の詳細】
出てくる金額の単位は(百万円)です。
損益計算書を見ると、売上高は1,014,345から647,652に減っています。
366,693減少です。
GREEの売上高の増加は75,065でした。消費者のお金はいろんなところに流れているのでしょう。

貸借対照表の資産は1,634,297から1,368,401に減っています。
265,893減少です。

資産回転率=売上高/資産
1,014,345/1,634,297で62%だったのが、647,652/1,368,401で47%に下がっています。
前年より有効に使えなかったということですね。

売上原価率=売上原価/売上高
626,379/1,014,345で61%だったのは、493,997/647,652で76%に上がっています。
これはどう見ればよいのでしょう。
Nintendo3DSの価格改定の影響がどれくらいなのでしょうか。

売上高営業利益率=営業利益/売上高
171,076/1,014,345で17%が△37,320/647,997で-6%です。
チーム-6%ってありましたよね。

キャッシュフロー計算書も見てみましょう。
営業キャッシュフロー 78,103 -> △94,995
投資キャッシュフロー △154,038 -> △164,392
財務キャッシュフロー △102,456 -> △39,827

+, -, -だったのが、-, -, -になっています。
営業活動でキャッシュを作れていないけど、これまでの貯金から投資も配当も行ってる状態になったということです。

もう少し細かいとこを見ます。
投資キャッシュフローの中の「有形固定資産の取得による支出」、「有形固定資産の売却による収入」の差額は設備投資になります。
19,979-170=19,809
これが営業キャッシュフローの中の「減価償却費」と比較して多いか少ないか見ます。
減価償却費は12,523なので、今期は赤字でも未来への投資は惜しんでいないということがわかります。
Wii U売れるといいですね。